ART(生殖補助医療)|文京区千駄木の産婦人科 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科

ART(生殖補助医療)

ARTとは

体外受精や顕微授精など、高度な不妊治療のことをART(生殖補助医療)といいます。卵巣で成熟させた卵子を一度身体の外へ取り出し、受精させた後に子宮へ戻す治療です。
日本では日本産科婦人科学会へ登録した施設のみがARTを行えることとなっており、全国で約600の施設が登録されています。
ARTで生まれるこどもの数は年々増えており、2016年には5万人を超えました。およそ18人に1人がARTの技術により誕生したことになります。

ART学級

当院では月に1度『ART学級』という説明会を開催しており、ARTによる治療を希望される方には全員受講をお願いしています。
卵巣刺激の方法・受精方法・胚移植方法や通院・費用負担などについてARTの概要を1.5~2時間程度で解説致します。

卵巣刺激

当院では自然周期~低刺激(薬剤をあまり使用せず通院回数が少ない方法)~高刺激(毎日注射による刺激を行う方法)いずれの方法にも対応しています。
刺激方法は、卵巣の状態とご夫婦のご希望により選択していきます。
2017年に採卵した140周期の低刺激・高刺激の割合は以下のグラフの通りです。

採卵

採卵室には麻酔器や生体監視モニターを備え、かならず複数の医療スタッフで採卵にあたっています。
ご希望により無麻酔での採卵も行うことができます。

受精

ARTでの受精方法には媒精法と顕微授精法があります。
どちらを用いるかは、運動精子の数と、これまでの治療経過により選択していきます。
2017年の採卵では、媒精法65.7%・顕微授精法27.6%・併用法6.7%により治療行いました。
顕微授精にはSL-ICSIを導入しており、顕微授精全例で卵子の染色体の位置を確認し安全性を高めています。

  • 通常の顕微鏡の写真

  • 偏光板を使用した写真(6時方向に染色体が確認できます)

受精卵の培養

WOW培養法(LinKID)を全症例で用い、胚盤胞へ発生した胚を凍結保存します。
2017年にWOWディッシュを導入し、胚盤胞を凍結できる割合が上がりました。
当院では原則として全ての受精卵を胚盤胞まで培養し、一度凍結する方法で治療を行っております。採卵とは別の周期に胚盤胞を移植する方法が、最も高い妊娠率の高い方法だからです。
当院で2017年に採卵した140周期のうち、92周期(65.7%)で少なくとも1個の凍結胚が得られています。

胚移植

当院では原則としてエストロゲン貼付剤とプロゲステロン座薬を用いたホルモン補充周期にて、凍結融解胚盤胞を移植します。
着床を補助するため、移植胚にはアシステッドハッチング(透明帯をレーザーで切開しています)を行い、全症例にEmbryoGlue(ヒアルロン酸を添加した、胚移植専用の培養液)を用いて移植を行っています。どちらの技術にも追加料金はかかりません。

  • 透明帯から孵化(ハッチング)中の胚

  • 孵化後の胚

妊娠率

2017年に凍結融解胚移植を行った119周期のうち、妊娠反応が確認されたのは76周期(63.9%)、胎嚢が確認されたのは57周期(臨床妊娠率47.9%)でした。
そのうち38症例が出産に至りました。

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